水屋タンスの再生。 ~ 世代を越えて伝えるために ~
昨夜は大嵐。今日は、朝からポカポカ陽気。
今日は、修理完了した水屋タンスの納品日でした。
先日、家の建て替えを機に、今まで収納箱として使用していた古い水屋タンスを
修理して欲しいとの依頼がありました。
そしてこれからは、飾棚として使用したいとの事でした。
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引き取り後、改めて確認してみます。
パッと見は綺麗かな?? 組手が緩み、建て付けがグニャグニャです。
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板戸は割れています。 今回は飾棚に改造の為、ここはガラスに交換します。
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内部は、永年のホコリが堆積していて、こびり着いています。 ここは完全にリフレッシュします。
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全体的に、このように傷が入っています。
始め、この傷や凹みを完全に取り除き、新品同様に蘇らせるつもりでしたが、
しばらく見ていると。。
「イヤイヤ、これは中々味わい深いじゃないか。もったいないよ。」
お客様と相談し、計画変更です。
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分解出来る所までバラします。
お客様も、「よく分からない」 と言ってましたが、
これは、50年、60年どころじゃないみたいです。 古い家具は基本に忠実に作ってあります。
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だから簡単に分解出来るんです。
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永年の汚れ。
砂埃、ミノムシ、ネズミの糞。。 古いクモの巣は中々取れないね。
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汚れを取り除き、木地を削っていきます。
カンナで全て仕上げてしまうと、味わい深い傷が消えてしまうので、
サンドペーパーで慎重に仕上げていきます。
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鏡板は必要無いので取り外し、木地を仕上げます。
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今までの生活の中で付いてしまった傷を残します。そして綺麗に塗装し直すと、これが活きてきます。
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木地仕上げが完了です。
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いきなり完成しちゃってますが (笑)
塗装して、ガラス、引手を取り付け完了です。
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ガラスは、普通の板ガラスではなく、昔の手作り風の波打ったアンティーク調ガラスにしてみました。
けど、当時はこれが普通の板ガラスだったんですけどね。 現在は特殊ガラスです。
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再生家具ですと、安易に濃い色で塗装してボロ隠しをしているモノをよく見かけますが、
木地をちゃんと整えてあげれば、まだ綺麗な木目が出るんです。
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引き出し内部も、削って綺麗に塗装します。
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錆びていた取手は磨き、黒のエナメルで塗装します。
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そして、お客様のもとに帰っていきます。
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新しいお家。そして新しい生活が始まりますね。
またがんばってね。
納品の帰り道。。。 道に迷いました。。
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偶然、高校時代に通ってた塾の前を、20年以上ぶりに通過。
あの頃の夢と今は違うけど、
希望に満ちていた思い出の場所です。
なんか、ほっこりした気分の一日でした。
