オーダー家具の作り方 ~ 3人掛けソファー ~
皆さん今晩は。 久々の更新です。
気がつけば、もう冬に突入ですね。 寒さにはめっぽう弱い私です。。
6年前、ダイニングテーブルをご注文頂いたお客様より、
3人掛けソファーのオーダーがあり制作しましたので、こちらのブログで紹介したいと思います。
1回目の打ち合わせです。
デザイン、サイズ、使用樹種などをお聞きします。
過去の施工事例、インテリア書籍などを見て、会話を楽しみながらの打ち合わせです。
ラフスケッチを描き、おおよそのデザインを確認します。
2回目の打ち合わせです。
お聞きした内容を基に、1/10 での図面を作成し、制作前の最終確認です。
座の奥行、背の高さ、使用樹種などが変更になりました。
お客様とお話ししていくうちに、ライフスタイルや好みが分かって来るような気がします。
そして僕なりの解釈、アレンジを加え最終決定します。
ソファーなど、椅子モノの場合には、制作用の図面を原寸大で描きます。
構造のラインなどを全て描き込み、制作の上での基準となり重要な工程です。
こちらは、肘の部分をRに削り出しているところです。
今回の使用樹種は、ナラ材です。 堅く、粘りがあり、椅子モノには最適な樹種です。
肘は、両サイドの脚の上に、こんな感じに 二枚ホゾと言われる構造で接合されます。
今回のソファーは、肘が強度的にとても重要となるポイントなので、強靭に固定します。
背になる部分は格子状になります。
既製品にありがちな安易なダボ接合は行わず、組んでしまえば見えなくなる部分もホゾ接合とします。
末永く使用する為には、とても重要な部分です。
木地が完成しました。
お部屋の雰囲気から、テーマは 「和」 です。
肘のRは刀、脚は刀の鞘、背の格子は水屋箪笥の戸をイメージしています。
出来上がった木地を塗装します。
お客様のご希望の紫色の布地が映える様に、木目が透ける位の黒焦げ茶で塗装しました。
ナラ材はこの様な 虎斑杢 (とらふもく) と言われる模様が表れるのが特徴です。
均質な綺麗な材を好む日本人は、この虎斑を嫌う傾向がありますが、
ヨーロッパのアンティーク家具などは、これを大胆に取り入れ、見る角度りより
キラキラと輝き、とても深い表情を見せてくれます。
お客様と話しながら、一番目立つ肘に入れてみました。
いきなり完成してますが (笑)
椅子張り専門の職人さんに、紫色の布地を張ってもらい完成です。
自分なりに納得した作品ですが、
嫁入りするまで、いつもながらドキドキです。
そして、納品です。
お部屋に上手く溶け込む事が出来、お客様に大変喜んで頂く事が出来ました。
椅子張り職人さんの心意気で、同色クッションはいつものサービスです♫
6年前に作ったダイニングテーブルと共に、
このソファーも、家族と共に歴史を重ねていくことでしょう。