椅子のブログ記事

皆さん こんばんは。

半年ぶりのブログ更新です。。 

今回は、ホームページからのお問合せの多い、ダイニングチェアー 再生修理の一例をご紹介したいと思います。

 

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こちらのダイニングチェアー 昭和43年に購入して依頼、ずっとお客様家族と共に過ごしてきました。

僕が昭和48年生まれの40歳ですから、ざっと45年前となります。

とても愛着があり、「なんとか新品の様に再生できないでしょうか。」 とのご相談でした。

パッと見は綺麗に感じたのですが。。

 

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やはり、永年の使用により色々と不具合が生じています。

 

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しかし、いつも思うのですが、ホント古い椅子は、基本に忠実。真面目に作られています。

だから、緩みが生じ多少グラつきがあっても壊れずに、椅子の機能を果たせたのだと思います。

 

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一度、修理されている様で、長い釘や鉄芯が打ち込まれています。

後にこれが厄介な事に。。

 

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先ずはバラせるところまで分解します。

玄能で叩いても抜けない部分は、45年ものあいだ耐えていた所なので、今回は無理には分解しませんでした。

しかし、椅子の強度の要となる、後ろ脚の接合部分は別です。

前回の修理で、長い釘や鉄芯が打ち込まれています。。

緩んでグラグラなのに抜けません ・・・。

 

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一箇所をなんとか抜いてみましたが、これではほかの部分を痛めてしまいます。

 

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そこで、この様な部品を作ってみました。

 

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抜けない部分は無理に抜かず、この様に補強します。

古い住宅の耐震補強の様な感じですね。

 

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デザイン的に違和感の無いように、接着剤とビスにより強靭に接合します。

ビス穴は木栓で埋めますよ ♪ 

 

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フレーム部分の組立終了後、古い塗膜を剥がして行きます。

同時に傷や欠損部の再生を行います。

 

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今回は濃い焦げ茶色に再塗装します。

「濃い色にすれば隠れてしまうのに、なぜ完全にめくるの?」 と、よく聞かれるのですが、

初めは綺麗ですが、古い塗膜が残っていると数年のうちにメクレが生じてくるからです。

また、見逃してしまう様な細かな割れの発見にもつながります。

今まで使用して来た期間と同じくらい、これからも使用していく為には大事な作業です。

 

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いきなりの完成写真ですが。

今回は着色ウレタン塗装なので、専門の家具塗装屋さんにお願いしました。

座の部分は、隣町の椅子張り職人さんにて、内部のクッションの取り替え、レザーの張替えを行いました。 お客様のご希望により、明るいベージュにイメージチェンジです。

 

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永年使用して愛着のある椅子。

「買い替えようかな?」 と思ったら、一度相談してみて下さい。

こんな方法もあるんです。

皆さんこんにちは。

約4ヶ月ぶり、久々のブログ更新です。 気がつけば春も終わりかけ、初夏の陽気です。

 

ホームページを開設してから、家具修理のお問い合わせが増えてきました。

永年愛用してきた家具を、修理しながら使い続ける。 求めている方がいっぱいいるんだなと実感します。

 

今年に入って行った修理を、順次こちらのブログで紹介していきますね。

今回は第1回目、ウィンザータイプ ダイニングチェア の修理です。

 

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ホームページをご覧になられたお客様より、ダイニングチェアーの修理依頼がありました。

パッと見は、それほど傷んでは無さそう。。 あっ、背のスポークが1本無いですね。

塗膜の剥がれも見られます。

 

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そして、重大なダメージ、 板座が割れてます。。

 

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板の接ぎ口がパックリ。 これでは椅子の機能を果たしません。

 

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先ずは、板座の接ぎ口を修理するため、脚部を外します。

本来は背の湾曲したフレームも、分解するのですが、しっかり固定されており、

今後も心配無しと判断し、今回は分解しませんでした。

 

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接ぎ口の接着不良で、永年の使用により弱い部分に負担が掛かり破断しています。

 

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当工房では、板座の接ぎ口に ビスケット と言われるヤトイを挿入しています。

広葉樹の圧縮材で、接着剤の水分で膨らみ、強靭に固定されます。

 

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次に、背スポークの再生です。

外れた部品を紛失してしまったとのことでしたので、この椅子と同じ ブナ材 にて再生します。

この角棒から削り出します。

 

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大まかに機械で加工して、こんな自作の 豆カンナ で削っていきます。

 

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サンドペーパーで表面を整え、本体に装着。 上手くいきました ♪

 

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板座の接着も乾いたので、接ぎ口の細かな チリ(段差)をエアーサンダーで整えます。 

 

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これで 木地部分の修理は完了です。

 

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後は塗装仕上げです。 新品家具ならば全体を同色に塗装すればすむのですが、

再生修理は、修理箇所を長年使用した元の色に合わせる必要があります。

何色ものネタ色を調合して、色を出します。 

画像では、赤、あとちょっと黒が足りないですね~。

 

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吹き付けです。 エア圧力を最小まで落とし、息をそっと優しく フ~~ っと吹くように。

周りの色に馴染むように、ボカシていきます。

 

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そして、脚部を取り付け、修理完了です。

 

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修理箇所が分からない様に修理する。」

 

昔、親方から教わった言葉です。

 

この椅子も、また家族と共に歴史を刻んで行くことでしょう。

こんばんは。

朝、晩はだいぶ過ごしやすくなって来ましたね。だんだん秋の気配を感じます。

椅子の修理が完了、納品してきましたので

今回は、店舗で使用する椅子の修理方法を紹介したいと思います。

 

過去の修理事例はコチラ → http://factory-den.com/repair/

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ホテルの中にあるレストラン椅子、41脚の修理依頼です。

パッと見は、それほど傷んでいないのですが・・・

 

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20年以上の使用により、レザーはこの様な感じに傷みが激しいです。

座面クッションはヘタっていて、座ると底突き感があり長時間座るとお尻が痛くなりそうです。

 

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フレームは近年、塗装補修されているようなのですが、

今回は、全て再塗装を行います。

 

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この椅子はバブル期に導入して、当時とても高額だったそうです。

造りもしっかりしていて、構造自体(グラつき等)は最小限の補修で済みました。

削ってみて解ったのですが、材はローズウッドの総無垢でした。

こりゃ~高いわ。。(笑)  今、作ろうと思っても材が手に入りませんよ・・・

 

今回、ホテルがリニューアルオープンとの事で、「新品同様に甦らせて欲しい。」

と言う依頼です。  徹底的に傷を消していきます。

 

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塗装完了です。

せっかくのローズウッドなので、クリアーでナチュラルな感じが良いと思う所ですが、

店内のイメージに合う様に若干着色しています。

 

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ここからは、本職の椅子張り屋さんの仕事になります。

隣町の 「村松椅子店」 にお願いしました。

数々の名作椅子の張り替えを行ってきた、この道の超ベテランです。

 

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今回は、オーナーの意向で、

レザーは、ブラックからワインレッドにイメージチェンジしました。

 

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今回は、41脚の修理でしたが、

営業の支障をきたさない、10脚程度の入れ替えローテーションで作業を進めさせて頂きました。

 

長年使用してきた椅子を、新品同様に甦らせる。

新たに新品を導入するよりも、遥かにコスト削減出来ます。

 

こんな方法もあるんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日は、季節外れの大嵐。

そして、うって変わって気持ちの良い晴天。しかし風がとても強く、花粉が。。。辛いです。。

今日は、ダイニングチェア修理が完了したので納品に行ってきました。

 

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このウォールナットのダイニングテーブルとチェアーのセット。

8年前、僕がまだ木工所の雇われ職人だった頃、

高校時代の親友から、「弟が家を建てるので、ダイニングセットを作ってくれないか?」

と話がありました。

その頃はちょうど、「自分の工房を持ちたい」 と思っていた時期で、

予算は20万円だったかな? 材料代は、たしか7万円弱。

残りのお金で中古のガタピシな木工機械を買い、

初めて勤め先の設備は使わずに、自宅の車庫で作った想い入れのある作品です。

 

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先日、「椅子の後脚がグラグラする」 と連絡があり、引き取りに行きました。

8年ぶりの再会です。

 

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8年の歳月により、加工精度の甘さ、正直です。 確実に表れます。

たった数年でグラつく。恥ずかしかったけど、椅子は構造的に何処から壊れやすいのか。

ましてや自分が作ったモノ。 これに勝る勉強材料はありません。

分解出来るところは全て分解し、構造部分の経年変化を確認しながら組立てて、

自分自身の再確認にもなりました。

 

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軽く拭いただけでこの艶。 無垢材のオイル仕上げの椅子は、

「使い込むにつれ深みが増し、味わい深くなる」 ホントですね。

 

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一緒に作ったダイニングテーブルは、頑丈にしっかりしていました。

ノーメンテナンスですよ。(笑) と言ってたけど、深みが増しツヤツヤしていました。

嬉しかった。

 

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当時このダイニングセット納品した時、奥様は出産のため留守にしていました。

その時のお嬢ちゃんが、帰る時に 「ありがとう」 って言ってくれた時は、ちょっと涙が出そうになりま

したよ。

 

これからも家族と共に歴史を重ねていくでしょう。

そして、木工の「傳」 のルーツとなる作品。 これからも見つめていきたいと思います。